【脂質は悪者じゃない!】ダイエットや健康に不可欠!良い脂と悪い脂の見分け方

食事

こんにちは!ミニマリスト薬剤師のyasuです。

「脂質=太る」「脂質=悪者」 こんなイメージを持っている人も多いですよね。 ダイエット中は、ついつい脂質を徹底的に避けがちですが、実はこれ、大きな間違いなんです。

脂質は、タンパク質、炭水化物と並ぶ「三大栄養素」の一つ。私たちの体にとって、なくてはならない大切な存在です。

今回は、脂質の「光」と「影」に焦点を当て、その奥深い役割と、健康のために知っておくべき「良い脂」と「悪い脂」の見分け方について、分かりやすく解説していきます。


1. 脂質は、生命活動に不可欠なスーパー栄養素

脂質が「太る」というイメージが強いのは、1グラムあたりのカロリーが9kcalと、タンパク質や炭水化物(4kcal)の倍以上あるからです。しかし、カロリーが高いからといって、その役割まで軽んじてはいけません。

脂質は、私たちの体の中で、まるで縁の下の力持ちのように、たくさんの重要な働きを担ってくれています。

① エネルギー源の「貯蔵庫」

脂質は、炭水化物よりも効率の良いエネルギー源です。すぐに使わないエネルギーを脂肪として蓄えておき、必要なときに取り出して使うことで、私たちの体を動かすガソリンのような役割を果たしています。マラソンランナーが、レース中にエネルギー切れを起こさないのも、体内に蓄えられた脂質のおかげなんです。

② 細胞の「壁」や「司令塔」

私たちの体は約60兆個もの細胞からできていますが、その一つひとつの細胞を覆っている「細胞膜」の主成分は脂質です。さらに、脳の神経細胞やホルモン、ビタミンを体内に取り込む際にも、脂質は不可欠な存在です。まさに、体の細胞一つひとつを守る「壁」であり、体の機能を調整する「司令塔」のような役割を担っています。

③ 体温を保つ「断熱材」

皮下脂肪は、内臓を外部からの衝撃から守るクッションであり、体温を一定に保つための「断熱材」でもあります。冬の寒さから身を守ってくれるのも、適度な皮下脂肪があるからなんです。


2. 「脂質が足りない」が招く不調のサイン

ダイエットのために脂質を極端に減らすと、体にさまざまな不調が現れます。

① 肌や髪がカサカサに…

脂質は肌や髪の潤いを保つために重要です。脂質が不足すると、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなったり、髪にツヤがなくなったりすることがあります。

② ホルモンバランスが乱れ、気分が不安定に

脂質は、女性ホルモンや男性ホルモンなど、体の機能を調整するホルモンの材料になります。脂質が不足すると、ホルモンバランスが乱れ、生理不順や気分の落ち込みといった不調につながることがあります。

③ 集中力や思考力が低下

脳の約60%は脂質でできています。特に、DHAやEPAといった良質な脂質は、脳の神経細胞を構成する重要な成分です。脂質が不足すると、集中力が落ちたり、記憶力が低下したり、イライラしやすくなったりすることがあります。


3. 「摂りすぎ」が招く生活習慣病のリスク

一方、脂質の摂りすぎは、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。

① 肥満や動脈硬化

摂りすぎた脂質は、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。特に、「飽和脂肪酸」や「トランス脂肪酸」の摂りすぎは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、動脈硬化や心臓病のリスクを高めると言われています。

② 消化不良による不調

一度に大量の脂質を摂ると、消化・吸収に時間がかかり、胃もたれや胸焼け、下痢といった消化器系の不調を引き起こすことがあります。


4. 賢く選ぼう!「良い脂」と「悪い脂」の見分け方

脂質には、大きく分けて「良い脂」と「悪い脂」があります。 大切なのは、「脂質を避けること」ではなく、「良い脂を積極的に摂り、悪い脂を控えること」です。

良い脂:不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6、オメガ9)

  • 特徴:常温で液体(サラサラ)のものが多く、体内で合成できない「必須脂肪酸」も含まれています。
  • 役割:血液をサラサラにしたり、悪玉コレステロールを減らしたり、脳の働きをサポートしたりするなど、健康に良い影響を与えます。
  • 代表的な脂質
    • オメガ3脂肪酸:EPA、DHA、α-リノレン酸
      • 多く含む食品:青魚(サバ、イワシなど)、亜麻仁油、えごま油、くるみ
    • オメガ6脂肪酸:リノール酸
      • 多く含む食品:大豆油、コーン油、ごま油など
    • オメガ9脂肪酸:オレイン酸
      • 多く含む食品:オリーブオイル、アボカド
  • 注意点:オメガ6は摂りすぎると炎症を促すことがあるため、オメガ3とのバランス(理想は1:4程度)を意識することが大切です。

悪い脂:飽和脂肪酸とトランス脂肪酸

  • 特徴:常温で固体(ドロドロ)のものが多いです。
  • 役割:体内でエネルギー源や貯蔵庫になりますが、摂りすぎると健康リスクを高めます。
  • 代表的な脂質
    • 飽和脂肪酸
      • 多く含む食品:肉の脂身、バター、ラード、生クリームなど
    • トランス脂肪酸
      • 多く含む食品:マーガリン、ショートニング、菓子パン、揚げ物など
  • 注意点:飽和脂肪酸は適量を摂る分には問題ありませんが、トランス脂肪酸はできるだけ控えることが推奨されています。

まとめ:脂質は「量」より「質」!

脂質は、私たちの体を動かし、細胞を作り、ホルモンを整える、まさに「生命活動の潤滑油」です。 ダイエットや健康のために脂質を極端に避けてしまうと、かえって不調を招くことになりかねません。

大切なのは、「脂質の量と質」です。

  • 良質な脂(不飽和脂肪酸)を積極的に摂る。
    • 青魚やオリーブオイル、ナッツなどを食事に取り入れましょう。
  • 悪い脂(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸)を控える。
    • 揚げ物やジャンクフード、肉の脂身を摂りすぎないように意識しましょう。

「脂質を避ける」という考え方から、「脂質を賢く選ぶ」という考え方に変えるだけで、食生活は劇的に変わります。 ぜひ今日から、あなたの食卓に「良い脂」を取り入れて、心も体も健やかな毎日を送ってくださいね。

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