─ 「やらないことリスト」がくれた安心と集中 ─

選択と集中の先に見えた、自分らしい時間の使い方

ミニマリズムを取り入れてから、持ち物を減らし、時間の使い方を見直すなかで、少しずつ「行動の質」が変わってきた実感があります。その過程で生まれたひとつの習慣が、「やらないことリスト」を作ること。

以前の私は、ToDoリストに追われる日々を送っていました。やるべきことをリストアップすればするほど、気持ちは焦り、どこか常に「何かやり残している」ような感覚に襲われていたのです。

そんな生活を抜け出すきっかけになったのが、「やらない」と決めることでした。


「やらない」と決めることで、心が軽くなった

私たちは日々、無数の選択をしています。その多くは無意識のうちに行われていて、知らず知らずのうちにエネルギーを消耗しています。

例えば、SNSを何気なく開く、気が乗らない集まりに参加する、完璧を求めて無理に詰め込む——。そんな「当たり前になっていた行動」を一度見直し、「やらない」と明確に決めてみると、驚くほど心が軽くなるのを感じました。

「やらないことリスト」は、自分の中の“優先しないもの”を明確にするツールです。ToDoリストとは逆の発想で、「これは今の自分にとって必要ない」「これをやらないと決めることで、大事なことに集中できる」という視点で作っていきます。


実際に作った「やらないことリスト」

私が最初に作った「やらないことリスト」は、たった5つのシンプルな項目から始まりました。

  • 無目的なSNSチェックはしない
  • 気が進まない誘いには無理に乗らない
  • マルチタスクをしない(目の前のことに集中)
  • 完璧を目指さない(8割で良しとする)
  • 「とりあえず買う」はしない(必要か一晩考える)

これらは、私の時間や心を無駄にしていた行動パターンを反映したものです。最初は少し勇気がいりましたが、「やらない」と決めることで、思考のノイズが減り、余計な選択から解放されていく感覚がありました。


“空白”があるから集中できるようになった

「やらないこと」を明確にしたことで、自然と「やりたいこと」が際立つようになりました。

朝の時間はSNSを開かないと決めたことで、代わりに読書や瞑想に充てる時間が生まれました。気の進まない誘いを断るようになってからは、人との関わりにも自分の軸が持てるようになり、本当に大切にしたい人との関係に集中できるように。

また、完璧主義を手放すことで、タスクを抱え込まず、心にも時間にも“空白”を残すことができるようになりました。この空白があることで、新しいアイデアが生まれたり、ふとした瞬間に好奇心が芽生えたりと、行動の質そのものが変わっていったのです。


「やらないこと」は、自由をつくる

一見ネガティブにも思える「やらない」という選択。でもその実態は、自分の人生を“選んでいく”ための、とても前向きな行動だと感じています。

私たちの時間やエネルギーは限られています。だからこそ、すべてをやろうとするのではなく、「何をやらないか」を明確にすることで、本当に大切なことに集中できるようになる。

ミニマリズムは、モノを減らすだけでなく、思考や行動にも余白をつくるための考え方。

「やらないことリスト」は、その余白を保つための、小さくてとても効果的なツールです。

今の自分にとって必要ないものを手放すことで、本当に大切なものが見えてくる。

そんな感覚を、これからも大切にしていきたいと思っています。

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